心に染みる音楽 ~時には昔の話を
ある程度の年を経て、ふっと、昔を振り返る時に、頭に浮かぶのがこの曲。
加藤登紀子さんの「時には昔の話を」
ジブリアニメの紅の豚でもやっていたので、馴染みが有るかもしれませんね。
お金のない若い頃を懐かしむ曲・・と思いきや、背景には、学生運動という、
1960年末に各地で起こった大学での紛争のことが歌詞に込められています。
そう、加藤登紀子さんは、東京大学文学部に在籍していたので、まさに「揺れていた時代の熱い風に吹かれて」いたのですね。
東大で何が起きていたかは、こちらにちょっと詳しく書かれています^^
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/zei/21294114.html
私がこの曲をよく聴いていたのは、実は浪人時代でした。
大学に不合格となり、浪人を余儀なくされた時、基本的には勉強をしていたものの、時々、友達とカラオケに行き、この曲を歌ったりしていました。
予備校のあったのが池袋という、ちょっと廃れた雰囲気のあるような街だったこともあり、くすんだ日々の中で、友達とあてもなくカフェで話したりしていたものです。
不安な未来の中でも希望に満ち溢れた会話をしていたし、風変りな予備校の先生も面白かったし、
ちょっとした恋もあった。
みんな、今となってはどうしているんだろうなぁ・・・。1年後、志望校に合格したり、そうでなかったりと、悲喜こもごもがあったけれど、大学生になった。
歌詞の中にこのようなものがあります。
小さな下宿屋にいく人もおしかけ 朝まで騒いで眠った
嵐のように毎日が燃えていた 息がきれるまで走った そうだね
本当に、地方出身で、奨学金で学費を払って頑張っている友達の下宿先にいって、みんなで騒いでいたこともあった・・。朝まで。本当に、若さがもっていたものは、尊い。
時間を無駄にした?空しい?そんな風に思う大人にはなりたくないですね。
確かに、時間を浪費したかもしれないけれど、その中でしかできなかった、確かなことはいま、私の一部を作っているのには違いないのです。
私もそうであるように、みんなも、それぞれの場所で、頑張って生きているのだと思う。そんな余韻にひたるには、ぴったりの曲です。
紅の豚も味のあるよいアニメですが、ぜひ、夜、ゆったりとした気持ちで聴いてみてくださいね。